あ行
- アンメット・メディカルニーズ
- 未だ満たされていない医療上のニーズ。患者や医療現場から強く望まれているにもかかわらず有効な既存薬や治療が未だ存在しないことをいいます。
- 医師主導治験
- 医師・医療機関が主体となって行う臨床試験のことをいいます。
- イソキノリンスルホンアミド化合物
- 当社が開発している化合物の有する骨格(形)の名称です。
- オープンイノベーション
- 自社だけでなく、社外の技術やアイデア、ノウハウ等を用いて、新しい価値(サービス・製品等)を創り出すことをいいます。
か行
- 化合物ライブラリー
- 当社が長年にわたり蓄積してきた新薬候補化合物のタネとなる化合物群です。これらの化合物の一つ一つが特徴的な性質を有しており、基礎研究や新薬候補化合物発見に利用されます。
- 合成
- 二つ以上の単体または化合物から、化学反応により別の化合物を創ることをいいます。
さ行
- 細胞内情報伝達
- 神経刺激やホルモン等の細胞外からのシグナル(信号)を細胞内の必要な箇所へ伝えるシステムのことをいいます。細胞内シグナル伝達ともいいます。
- 作用機序
- 薬物が作用する仕組みのことをいいます。近年では薬物作用の明確化の重要性が高まっており、この作用機序の解明が新薬開発において注目されております。
- 上市(じょうし)
- 新薬が承認され、実際に市場に出る(市販される)ことをいいます。
- 神経疼痛治療薬
- 何らかの原因により神経が障害を受けて引き起こされる神経の痛みに対して使われる薬剤です。この痛みは、痛みを伝える物質(神経伝達物質)が過剰に放出されることによって生じると考えられており、神経疼痛治療薬はこの神経伝達物質の過剰放出を抑えることで痛みをやわらげます。
- 新薬収載希望者
- 新医薬品の薬価基準収載を希望する製造販売業者をいいます。
- 水疱性角膜症(すいほうせいかくまくしょう)
- 角膜内皮細胞が障害を受け、角膜浮腫が起こり、角膜が白く濁って視力が著しく低下する病気。フックス角膜内皮ジストロフィ、白内障や緑内障等の眼科手術により角膜内皮細胞が減少することが原因にあげられます。治療法は角膜移植手術になります。
- スクリーニング
- 新薬を開発するには、多数の候補化合物の中から、効果があり安全性が高いものを選び出すことが必要となります。このような多数の化合物から新薬の候補を探す一連の流れをスクリーニングといいます。
- スクリーニング毒性
- 細菌を用いる復帰突然変異試験(化学物質による、発癌性を含めた遺伝子に与える変化である変異原性を、細菌を用いてテストする試験)、ほ乳類培養細胞を用いる染色体異常試験(明確な染色体構造を持たない細菌においては、染色体異常を検出できないため、人為的に生体外で培養したほ乳動物の細胞を用いて、染色体に対する遺伝毒性がないかをテストする試験)およびほ乳類を用いる28日間の反復毒性試験(ラット等の動物に一定期間毎日反復投与したときに現れる生体機能および形態の変化を観察する試験)によって検出される毒性を指します。
- 生化学
- 生物体の構成物質および生物体内での化学反応を解明して、生命現象を研究する学問のことをいいます。生体物質の構造決定、その作用機能、代謝の機構などが主な研究の対象です。
- 阻害剤
- 生体内の様々な酵素分子に結合して、その酵素の活性を低下もしくは消失させる物質を指します。化学物質が特定の酵素の活性を低下もしくは消失させることにより、病気の治療薬として利用されることがあります。
た行
- 第Ⅰ相臨床試験
- 健常人に対し、新薬候補化合物の安全性、体内副作用を試験することをいいます。
- 第Ⅱ相臨床試験
- 少数の患者に対し、新薬候補化合物の安全性と有効性を確認し(前期第Ⅱ相)、有効発現投与量と用法を検討する(後期第Ⅱ相)ことをいいます。
- 第Ⅲ相臨床試験
- 医薬品としての投与条件で多数の患者に対して投与し、既存薬や偽薬との比較試験をすることをいいます。
- タンパク質リン酸化
- タンパク質にリン酸基を移転する化学反応であり、タンパク質の働きを調節すると考えられております。
- 同定
- 単離した化学物質等の標的が何であるかを決定することを指します。
- 導入品
- 他社が権利を有する新薬候補化合物等に関する特許権やノウハウ等について、自社で使用する権利を有した開発品のことをいいます。
- 糖尿病黄斑浮腫(とうにょうびょうおうはんふしゅ)
- 糖尿病により網膜の毛細血管が傷害され、血液中の成分(水分・タンパク質)が漏れ出し、黄斑と呼ばれる目の中心にあたる部分にむくみが生じた状態を黄斑浮腫といいます。黄斑部は視力にきわめて重要な場所であるため、黄斑浮腫が長期間続くと視力が大きく低下し、高度な視力障害や、失明を引き起こします。
- 糖尿病網膜症
- 糖尿病が原因で網膜が傷害され、視力が低下し、失明を引き起こす病気です。糖尿病網膜症は、糖尿病神経症・糖尿病腎症と共に糖尿病の三大合併症の一つと言われております。
- ドラッグ・ウエスタン法
- 薬物の標的タンパク質の同定に用いられる手法で、当社がバイオテクノロジーを応用して発明し、特許を有しておりました。煩雑なタンパク質精製プロセスを介さずに、薬物が結合する少量のタンパク質を検出し、その遺伝子を特定することにより標的タンパク質を同定することができる方法です。
は行
- 肺高血圧症
- 心臓から肺へ向かう血管(肺動脈)の圧力が高くなる病気です。息切れや呼吸困難といった症状だけでなく、心臓に負担がかかることから進行に伴い右心不全になる可能性がある難病です。その中でも中心的な疾患である肺動脈性肺高血圧症の患者数は約3,000人(国内)と言われており、年々増加傾向にあります。
- パイプライン
- 新薬候補品の開発から販売までの一連のラインを指しており、単に個々の新薬候補品を指すこともあります。
- 白内障
- 水晶体が白く濁り、視力障害を引き起こす疾患です。主な原因は加齢によるもので、症状が進行している場合には、濁った水晶体を取り除き、眼内レンズを挿入する手術が行われます。日本では年間およそ120万件の手術が行われています。
- 標的タンパク質
- 薬物が作用する対象となるタンパク質を標的タンパク質と呼びます。生体においては多くのタンパク質が相互に作用することによって、様々な機能を果たしており、多くの病気が特定のタンパク質の異常な働きによって引き起こされております。これらの病気には、これらのタンパク質を標的タンパク質として、その異常な動きを抑制する薬剤が有効となりうると考えられております。
- 非臨床試験(前臨床試験)
- 医薬品として満たすべき条件を実験動物を用いて副作用並びに安全性、安定性を検証することをいいます。
- フックス角膜内皮変性症
- 角膜内皮細胞に障害がおき、角膜浮腫・混濁が生じ、視力が低下していく疾患です。欧米で多くみられ、日本では患者数は少ないとされています。現在の治療法は角膜移植しか存在せず、有効な治療薬の開発が望まれています。
- プロテインキナーゼ
- ATP(アデノシン三リン酸と言われ、体内で作られる高エネルギー化合物)等、生体においてエネルギーの元となる低分子物質等のリン酸基を、タンパク質分子に転移する(リン酸化)酵素です。一般にリン酸化を触媒する酵素をキナーゼと呼び、特にタンパク質をリン酸化するキナーゼをプロテインキナーゼといいます。
- 分子薬理学
- 薬理学とは薬物が生体に対して、どのような作用により、影響・効果を発揮しているかを調べたり、薬物を用いて生体の機能を明らかにしたりする学問のことをいいます。分子薬理学とはその薬理学の調査の対象を生物の化学的性質を失わない最小の構成単位、つまり遺伝子のレベルで調べる学問です。
ま行
- マルチキナーゼ阻害剤
- 複数のキナーゼを阻害する薬剤のことをいいます。「H-1337」の場合は、LRRK2を中心に各種プロテインキナーゼを阻害しています。
- 未熟児網膜症
- 低出生体重児(未熟児)は、出生後保育器で高酸素下の環境におかれますが、その後通常の環境に戻された際、その環境に適応するため、急激に血管を産生しようと努めます。それは網膜においても起こり、急激な血管産生の結果、脆い異常な血管が形成されることで網膜剝離につながり、最終的には失明に至ることがある疾患です。現在は、レーザー照射による治療が行われていますが、必ずしも視力が戻るわけではなく、満足されている治療というわけではありません。
- モダリティ
- 創薬研究は多様化してきており、低分子医薬、ペプチド医薬、抗体医薬、核酸医薬、細胞治療、再生医療などの様々な創薬アプローチ(方法・技術)のことをいいます。
や行
- 薬価基準収載
- 厚生労働省によって製造と販売が認められた新薬やジェネリック医薬品を、公定価格として厚生労働省が定めた薬の価格の一覧表である薬価基準に載せることをいいます。病院などで処方される薬は、この手続きを行うことによって健康保険が適用されます。薬価収載ともいいます。
- 誘導体
- ある有機化合物を母体として考えたとき、その母体の構造等を大幅に変えない程度の改変がなされた化合物のことをいいます。
ら行
- ライセンスアウト
- 一定段階まで研究開発した新薬候補化合物等に関する特許権やノウハウ等を他社に使用を許諾することをいいます。
- リドカイン
- 神経末端において痛みの信号を遮断することにより痛みを軽減させる、局所麻酔薬の一種です。
- 緑内障・高眼圧症
- 緑内障とは、視神経と視野に特徴的変化を有し、通常、眼圧を十分に下降させることにより視神経障害を改善もしくは抑制しうる眼の機能的構造的異常を特徴とする疾患です。適切に治療されずに放置すると視野狭窄から失明に至る疾患であり、日本の中途失明原因の第一位となっております。また、高眼圧症とは、視野狭窄が無いものの、眼圧が正常値を超えている病態です。
現在、緑内障のエビデンスに基づいた唯一確実な治療法は、「眼圧を下降すること」とされており、原発開放隅角緑内障(広義)に対する治療では、薬物治療が第一選択とされております。
- 臨床開発
- 新薬を販売するためには、厚生労働省に承認、認可してもらうことが法律で義務づけられています。そのためには新薬候補品を実際に人に投与して、安全性や有効性を確かめなくてはなりません。ここで行われる試験は三段階(第Ⅰ/Ⅱ/Ⅲ相臨床試験)に分かれており、これらを総称したものをいいます。
アルファベット
- First-in-class
- 画期的新薬のことをいいます。新しい医薬品の中でも特に有用性の高い医薬品を指し、従来の治療体系を変えるような、または、これまでなかったタイプの独創的・画期的な新医薬品のことをいいます。
- LRRK
- キナーゼ活性を持つタンパク質であり、キナーゼ活性の上昇を引き起こす変異が優性遺伝パーキンソン病患者において高頻度で検出されるため、パーキンソン病に関わる重要な分子と考えられています。LRRKは多くの組織で発現し、眼の線維柱帯細胞においても発現が認められており、細胞骨格の制御に関わることが示唆されています。
- Rhoキナーゼ
- タンパク質リン酸化(*)酵素(プロテインキナーゼ)の一つであり、Rho-ROCK経路を介する多彩な細胞応答の制御機構に関与する酵素です。